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name: おき
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2024/11/26 (Tue)

『虐殺器官』伊藤計劃

文庫本の表紙をまじまじと見て、ヨルムンガンドのアールだと思ってごめんなさい


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つづきはこちら



伊藤計劃 伊藤project ペンネームがいいですねホント
すでに鬼籍に入られているのが悲しいところです


戦争と平穏と管理社会 マシンと生身と頭の中
読めない人は読めない作品だと思います。
猟奇ミステリーとかホラーでキャーコワイーなんて言ってる人だと理解が追いつく前に頭が拒否してそう

コンタクトがデバイスになり、町中が光学で装飾されるってので思いついたのが
ウェアラブル端末とPSYCHO-PASS どっちが早かったのかは覚えてないけど
現在ゴーグルやメガネ型のウェアラブル端末は、最終的にはコンタクトになるんじゃないかなっていうのは割と本気で思います
新しい技術はその時々で生まれますが、戦争が起こるとやっぱり飛躍的に必要とされる分野は伸びるよなあ、というのも

それからテロと核とヨーロッパ、インド
内容云々じゃなくて、すごく、なんでこんなこと思いついたのか自分でもわからないけど
エネルギー供給は一体どうなってるんだろう
特にインド、中東のあたり
サラエボにクレーターがどかんと空いたくらい(?)でヨーロッパ全体のエネルギー供給は止まらないんだろうな……

話に東洋が出てこないので、日本人が読むと遠く異世界の話の感覚になるわけだけど

戦争と平穏について、読んでいてふと思い出したのが、打海文三の応化三部作です
(裸者と裸者、愚者と愚者、覇者と覇者)
読中感や読後感が似ていました

どっちにしろ内容が生々しいんですよ
そちらは少年兵と戦争と日本の内紛
こちらは特殊部隊と、第三世界での戦争と虐殺
わくわくするという内容じゃないですね。埃っぽくて、渇いていて、血の色だけが生々しいのに現実感がない、汚れたガラス越しの眺めみたいな
読んでいて高揚なんてありません。このテの物語を読んでいると自分の内面が平坦になるというか、情動が極端に薄くなるのがわかります

京極夏彦のレンガ本だってどんと来いという速度で読破する私ですが
読んでいて小分けが必要になったのは応化三部作以来です
分量とか理解とかじゃないんですよ
読んでて体力つかうんです
おもしろいのに、読んでいて頭の中が静まり返る感じがして、えらい疲れるんですね
HPっていうよりMP使い切ってるというような
このテの本、好きなんですけどすげー疲れます


たまに会話で挟まってくるジョークがいいです
ジョークじゃないものもありますが 耳にまぶたはない、とか

クラヴィスの夢の、死者の国も真面目にイメージするとかなり異様な眺めですね
ただそれ以上に、特殊部隊であるために、体中にさまざまなデバイスをつけたまま、スパイしながら、日常生活が同時に行われているのも異様ですね
作戦遂行中にテクノロジーの結晶を身につけているのは不思議でもなんでもないのに

クラヴィスの内の思考や、動けない情動がこんなに書かれているのはすごいと純粋に思います
思考や情動を書くのはあまり得意じゃないので
主人公の思考や情動は書こうにも書けないし、原文を見て消化しようとして消化不良するのがいいと思うのであんまり書きませんが、ただひとつ
頭の中というブラックボックスの中身が解明されて一部機能に人が手を加えるのは外科的だろうがカウンセリング形式だろうが猟奇的だな
それだけです 思ったのは


ハーモニーも買ってあるんですが、
先に断末のミレニヲンや時槻風乃の黒い夜を読もうと思います
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2015/01/14 (Wed) 感想 コメント(0)
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